女性の体について、世の中の理解が以前より深まってきたように思います。生理痛や生理前にイライラする月経前症候群(PMS)、不正出血、子宮筋腫、更年期障がいなど、女性と話す機会が多いため思うことは、一度症状に出てしまうと、そこがその人にとっては弱い部分になるということです。

そこに至るまでに結構負担をかけてきたと思うのですが、当事者はそこまで大変なことだとは思っていない、もしくは症状が出たことで「これは大変だ」ということに気づきます。

今回は「更年期障がい」について、今からできる対策法を、わたしの経験を踏まえてお伝えします。すでに症状が出ている方は、あらためて行動を振り返り、できることからやってみることをおすすめします。

体の弱いところを自覚する

大きなストレスがかかった時に症状に出るところに気づいていますか?

例えば、
①嫌なことがあるとお腹にガスが溜まり痛くなる
②我慢し過ぎると尿漏れがある、膀胱炎になる
③睡眠不足、やることが多すぎて動悸が出る
④心配事があると同じところに湿疹が出る

これは過去にわたしが持っていた症状になります。

①は、初めて勤めた仕事が職人の世界で厳しかったことで、よくこの症状になっていました。
現在お腹が痛くなることは全くありません。

②においては、小学校に入ってもおねしょが止まらず、日中もらしてしまうこともあり、大人になってからも膀胱炎の経験など、「自分は膀胱が弱い」という自覚は子どもの頃からありました。
現在尿漏れが起きやすい年齢になりましが、心配することはなくなりました。

③においては26歳で障がい児を出産、介護と赤ちゃんの昼夜逆転が重なり、動悸が頻繁にありました。
現在当時より倍の年齢になりましたが、動悸は起こりません。

④は40代の頃に気づいたのですが、プレッシャーがかかった時に左人差し指に湿疹がでることがよくありました。
こちらもなくなりました。

みなさんはどうですか?

赤字で上記に書いた通り、現在52歳のわたしに上記の症状はなくなりました。しかし今後老化をしていくことは避けられない現実ですから、また症状として出てくるかもしれません。

ただこういった症状が出てきた時に、どうしたら回避できるのか?老いとして受け入れていくのか?意識することが大事です。

思考と肉体のズレを理解する

更年期障がいが起こるのは40代後半から50代前半と言われています。
更年期とは、閉経をはさんだ前後5年の約10年間のことをいいます。

この時期に体の不調で苦しまないために、早めに自分と向き合うことが重要です。なにが自分にとってストレスで、なにがそうでないのか?自分に問いかけて見極めていくことを日々習慣にしていきます。

しかし更年期手前の女性たちをみていると、ほとんどの人が、一日のルーティーンを変えようとしません。子育て、仕事、家事、両親との関わりなど、やることは盛りだくさんですが、まだ体力があるため、なんとかこなせてしまいます。しかし1日24時間と時間は無限です。「今までできていたんだから大丈夫」という思い込みが、体からのお知らせを見逃してしまうことにつながります。

頭と体が感じていることは違うことを理解しましょう。無理を積み重ねた先に更年期がやってきます。

休む勇気

「嫌われる勇気」とも言えます。「断捨離」「ライフシフト」と、捉え方は人それぞれですが、どれも更年期に向けてやってみることはおすすめです。

自分がやらなくても誰かがやってくれる場合もあります。やらないことの罪悪感は、他の形で返すこともできます。
わたしはコミュニケーションによる貢献、奉仕という形で、自分ができることをやっています。

SNSを一度辞めてみるとか、わたしはLineも何度かやめてみたこともありますが、必要であれば、また始めればいいですし、一度やめてみると、自分にとって本当に大切なことなのか?もわかります。スマホを見る時間も減り、その分自分のための時間ができます。

脳や肉体を休めることが、自分を労わることにつながります。準備段階でこのことに気づけて行動に起こせた人は、更年期真っただ中でも健やかに過ごすことができます。

幸せホルモンが増える環境を作る

女性ホルモンの減少をカバーする方法もあります。

ホルモンの中に、セロトニン、オキシトシンという物質があります。このふたつが女性らしさを取り戻し、エストロゲンが増えるということがわかっています。

閉経後は、このエストロゲンが減ることで、自律神経の乱れが起こります。自律神経が乱れることのリスクは、心拍数や血圧が上がりやすくなるだけではなく、花粉症やリウマチのような自己免疫疾患、更年期障がいの症状が起こりやすくなります。

では減っていくエストロゲンをカバーしく方法を二つお伝えします。

セロトニンの9割が作られるという腸の働きを良くします。腸は第二の脳とも言われていますので、免疫を下げないように、心を安定させることや、冷えから守るということも自分でできます。

オキシトシンは愛情ホルモンとも言われ、パートナーと会話をしたり、人に限らず動物とハグをしたり、スキンシップをすることで、脳の視床下部より脳下垂体に運ばれ、脳の中で分泌されるそうなんですが、精神的なや安らぎを得ることができます。

その他、好きな香りを嗅いだり、マッサージを受けたり、癒される映像を観るといった五感を癒すこともホルモンには良い影響を与えます。

わたしの体験から、まだまだ自助努力で、女性ホルモンの減少をカバーすることはできます。

体や口腔のメンテナンス

更年期障がいの症状の中に顎関節症がありますが、マッサージやストレッチ、適度なウオーキングなどを習慣として取り入れることとの他、口腔ケアのメンテナンスもおすすめしています。

それというのも、歯や歯茎の違和感、痛みの相談を受けることもあり、セラピーをして変化することもありますが、睡眠時に歯を食いしばっている方も多いこと、心の動きとも関係していること、更年期障がいのひとつであるドライマウスの予防にもなります。

口腔がよい環境であると、脳や腸にもよい影響があります。しっかりした咀嚼ができることで頭の中がスッキリし、腸の蠕動運動にもよく、便秘の予防にもなります。そして歯科医のメンテナンスを習慣にすると、磨き方、歪みのクセなどが把握でき、歯周病の予防、歯周病菌が体に回ると糖尿病、認知症の原因になることもあるということで、口腔のメンテナンスをすることは、さまざまな不調の予防につながります。

検査も活用

昨年末、不正出血があり、翌日検査を受けました。その際に子宮頸がんの検査も勧められたため受けてきたのですが、年齢による不正出血であって心配はないこと、子宮筋腫もなく頸癌もなしといった結果でした。

不安要素はなるべく早く取り除くことをしています。

「忙しくてなかなか病院に行けない」というお声を聴くことがありますが、本当に大事にするべきことはなんだろう?と考えた時、自分を後回しにするのは、病気を引き寄せるひとつの要素になります。

検査結果に問題がなければ、不安要素がひとつ消えるわけで、なにか問題が見つかったら、治療する、服用する、セラピーをする等、すぐに選択ができ、対処ができます。

問題を先送りにしないということは、負のエネルギーを残さないことにもなります。自分の体を大事にできないのであれば、宇宙もあなたにそのように対応します。ひとつひとつの行動を宇宙は見ています。

想ったことをノートに書くことから始める

今現在の欲求を書き出してみて、それが実現可能なのか?無理なのか?もしかして準備をしたらできることなのかもしれないし、考えても解決のしようがないことに、時間を費やしているかもしれません。

感情も含め、そうやって頭の中を埋め尽くしている想いを書き出し軽くしていくことを、更年期を迎える前に習慣づけることで、小さい変化にもキャッチできるようになり、さまざまな不調を回避することにつながっていきます。

「何でも書く」ことを習慣づけることは、自分の心や体と向き合う機会を作ります。ブレインクリア・セラピー®の講座ができたのも、ノートにさまざまな想いを書き溜めたことで出来上がっています。