
― 大企業と中小企業での“見えないズレ”の正体とは? ―
なぜ同じことを言っても、伝わる人と伝わらない人がいるのでしょうか?
「上司の話が頭では分かるけれど、心に入ってこない」
「部下に任せても、期待通りに動いてくれない」そんな声が、職場では日常的に聞かれます。
これらのすれ違いの背景には、単なる性格や世代の違いではなく、もっと深いところにある“意識の階層差”が関係しているかもしれません。
それが、今回のテーマである「意識レベルの違い」です。
「意識レベル」とは? 見えない“在り方”の高さ

意識レベルとは、感情や思考、行動の背景にある“在り方の質”を数値化した概念で、
0〜1000のスケールで表されます。
200未満:怒り・恐れ・プライド・欲望など、外的支配や自己防衛が中心(フォース=力によるコントロール)200以上:勇気・意欲・中立・愛など、内的安定や創造性が中心(パワー=内なる力)
この意識の状態によって、同じ言葉・同じ出来事でも、受け取り方は大きく変わります。
つまり、「何を言ったか」よりも、「どの意識状態で伝えたか」が影響力の本質です。
上司と部下に求められる理想の意識レベルとは?

●上司(リーダー)の理想レベル310(意欲)〜500(愛)
・310:意欲=「一緒にやろう」「どうすればできるか?」と共創型の姿勢
・400:理性=私情に流されず、冷静かつ的確な判断
・500:愛=相手の可能性を信じて任せる→ 上司は、部下に対して「見守りながら育てる」スタンスが理想です。
●部下(メンバー)の理想レベル:200(勇気)〜350(受容)
・200:勇気=失敗を恐れず、責任を持って動ける
・250:中立=上司の意図や違う意見も冷静に受け入れられる
・310:意欲=指示を待たず、自発的に動ける
→ 部下は、自分の感情や考えを客観視し、行動に責任を持てることがカギになります。
大企業 と 中小企業:それぞれで違う「意識の傾向」

項目 | 大企業 | 中小企業 |
---|---|---|
意識の傾向 | 理性・中立(400前後)だが保守的 | 勇気・意欲(200〜310)でエネルギッシュ |
上司の特徴 | 論理的・管理型・安定志向 | 行動派・現場感覚・柔軟対応型 |
部下の傾向 | 安全志向・制度依存型 | 裁量志向・関係性重視型 |
成長動機 | 安定と昇進 | 自己裁量とやりがい |
→ 大企業は「守る文化」=意識レベルは中立〜理性(250〜400)で落ち着きがち
→ 中小企業は「挑戦の文化」=意識レベルは勇気〜意欲(200〜310)が出やすい
よくある「意識レベルの違い」で起こる問題

上司 | 部下 | 起こりやすい問題 |
---|---|---|
400(理性) | 175(プライド) | 「なぜ論理で責めるの?」と受け取り、反発が生まれる |
310(意欲) | 150(怒り) | 「意欲的な上司がしんどい」→部下が心を閉ざす |
250(中立) | 310(意欲) | 部下の提案がスルーされ、やる気を失う |
「正しさ」の問題ではなく、“在り方の違い”による誤解や摩擦は起きやすく、それによるすれ違いが起きます。
組織の調和は「意識の高さ」ではなく「意識の調整」

組織は、意識レベルの違う人たちの集合体です。全員のレベルを揃える必要はありません。
大切なのは、それぞれがどの位置にいるのかを見える化し、その上で、どう調整していくかという「観察力」と「対話力」です。上司は部下のエネルギー状態を感じ取り、部下は自分の感情や反応を見つめながら、共に“パワーの領域”で働き合うことができれば、どんな職場でも、自発性と信頼が生まれていくのです。
もし「フォース」が多く存在したり、上司と部下の意識レベルのズレが大きい組織であっても、「17段階の意識レベル」やブレインクリア・セラピー®で開発中の「幸せ実現力判定」を活用することで、問題を他者ばかりに求めず、それぞれが「自分」に集中する時間が自然と増え、良好な人間関係から仕事のパフォーマンスアップ、さらには業績に好影響を及ぼすことが期待できます。
おわりに

どんな組織も、最終的には「人と人」。その“見えない部分”で起きているズレを、「意識レベル」という視点で見つめ直してみると、意外なところに答えが見えてくるかもしれません。
コロナ以降、社会、経済、家族関係のこれまでの常識が根底から覆され、未来に不安を抱える人が多い今。「17段階の意識レベル」と「幸せ実現力」は、自分がどのような人間でいたいか?どんな価値観を大切にしたいか?そのことを踏まえた上で、どんな生き方をしたいか?など、組織に属しながらも個人を活かすツールとして、役に立てると確信しています。
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