「職人」としてのセラピストは、技術だけでなく、心のあり方やクライアントへの姿勢が重要です。それが長期的な信頼を得る鍵となり、真のプロフェッショナルとしての道を切り開きます。
再現性が高い技術だと、「なんでもできてしまいそう」と思いがちですが、人間がか関わることに万能はなく、「技術だけではない、その人の人生」も反映されて、ひとりのセラピストが存在します。
あらためて現在セラピストである人、これからセラピストになろうと考えている人へ。
セラピストは「職人」という捉え方でぜひお読みください。
専門的な技術と知識
深い知識: 心と体は繋がっています。できる範囲で脳やホルモン、心理学などの理論的基盤を学びます。資格があれば、なおさらよいですが、クライアントが納得できるようなわかりやすい説明ができることが最も求められます。
技術の研鑽: 最初の頃は特に、「やってみたい」といった気持ちを大切に、痛みの軽減から、病院では原因のわからない症状など、トライしてみることはとても良い体験です。繊細で確実な技術が身に付きます。
独自性: これまでの人生経験が、他者との差別化となります。1~2個の技術の他に、これまでの失敗や挫折など、さまざまな人生経験を学びとして転換していくことで、クライアントに活かすことができます。
クライアントへの細やかな配慮
観察力: クライアントの状態を的確に読み取る能力が必要になります。セッションやセラピーをスタートする前に、クライアントが話す言葉から、問題の原因がある程度わかってくるには、技術の研鑽も必要になります。経験(引き出し)が増えてくることで、短時間で結果が想像できることも増えます。
コミュニケーション能力: メールやLINEでのやり取りはクライアントが理解できるよう、相手の立場に立って、丁寧に伝えることが必要になります。
非常に難しい症状の場合、想像できる結果を素直に伝えることをしています。やってみないとわからないということが前提としてあるため、クライアントに選択をしてもらうことが、お互いにとって信頼、安心感につながります。
柔軟性: 個々のクライアントに応じてアプローチを調整できる適応力が必要になります。いただいたお悩みからいくつかに問題を絞ること。難しい症状は、そこに至るまでに思考や体の老化など、複雑に絡んでいることも考えると、定期的にセッションやセラピーを受けるということも視野に入れていただくよう伝えています。
いざセラピーを始めてみたら、違う症状が次々と追加されることがあります。最初にいただいた課題にフォーカスすることも大切です。セラピストの自分軸を日頃から整え、フラットな気持ちで取り組む姿勢が求められます。
真摯な姿勢
継続的な学び: 人間に万能ということはないため、常に学ぶ意識は持つことです。動画や書籍から得ることもあります。セラピストとして実績を積みたい場合に注意なのは、常に「なにか足りない」と感じて、資格を取ることばかりに意識を向けないことです。
知識を得ている状態は、「知っている」だけであって、「やってみる」→「結果はどうか?」まで至らず、今回の人生で辿り着きたいゴールに遠回りになります。
向上心: まずは取得した技術を、納得いくまでやり切ってみることです。先ほど述べたように、すべてにおいて万能はないため、自分にとってプラスになったこと、いまひとつだったことなど、答えを出して次に進むと、今自分には何が必要なのか?明確になります。
自己管理: クライアントの相談に乗る環境を安定して作るために、体調やメンタルのセルフケアを日々取り入れます。クライアントにベストを尽くすことができます。
倫理観と信頼性
クライアント第一: クライアントが求めていることにベストを尽くします。結果がいまひとつの時があります。わたしはセラピーを行う時間や日程を追加するなど、臨機応変に対応をしています。
中には次々と要望が強くなる方もいますので、今回ご相談いただいた「目的」は忘れずに、そこにフォーカスをして行うようにしています。
正直さ: 自分が行うセッションやセラピーの限界を認識し、必要があれば他の専門家に紹介する姿勢を持ちます。相談をいただいた時点で、「検査をしていますか?」ということを聞くようにしています。原因がわかることで、行うセラピーも絞り込まれてきます。
中には検査を活用しないでセラピーで何とかしてほしいというクライアントがいます。クライアントのゴールは今の問題を解決することであり、薬を服用することでゴールが近いとなった場合は、副作用をなるべく軽減できるようにセラピーを行うなど、サポートをします。
後々、薬を摂らなくても元気でいられるように、段階を踏んで元気になっていただくことが必要なクライアントもいます。
心と技のバランス
感性、精神性の豊かさ: 技術だけでなく、人間的な温かさや共感力を持つことは大事です。目的を明確にすること、そこにセラピーでベストを尽くすこと、セラピストもやると決めたらば、ベストを尽くすことが、信頼関係につながります。
結果に対する捉え方: セッションの効果をクライアントに実感させる能力も必要です。想像以上に重い症状であったことがわかり、セラピーを行ったタイミングが遅かったと感じることもあります。
その際は、クライアントに気づきをこちらから提供することもあります。クライアントが先に気づいて伝えてくれることもあります。
フィードバックの活用: クライアントの声を聞き、改善や次のセッション、セラピーに活かします。セラピストの引き出しが増え、発展、独自性につながります。
セラピストという職人になりたい人へ
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